変わる働き方! オフィスのフリーアドレス化に適した環境とは? (3)デスクトップPCならシンクライアント化が効果的
<目次>
目次[非表示]
- 1.デスクトップPCならシンクライアント化が効果的
- 1.1.ただし相当な投資が必要になるケースもある
- 1.1.1.単純に全ての従業員がフリーアドレス化できない
- 1.1.2.デスクトップPCからノートパソコンへ
- 1.1.3.デスクトップを集中管理するやり方も
- 1.1.4.既存のものを上手に活用
デスクトップPCならシンクライアント化が効果的
ただし相当な投資が必要になるケースもある
単純に全ての従業員がフリーアドレス化できない
とはいえ、既存オフィスの環境によっては、フリーアドレス化のハードルが高い場合もあります。例えば、従業員用のPCがノート型であればフリーアドレス化も比較的容易にできますが、デスクトップ型が主流だと容易には動かせません。また前述したように、業務で扱う情報やセキュリティポリシーなどにより、情報を容易に持ち出せない端末環境が求められるケースもあります。
デスクトップPCからノートパソコンへ
特にデスクトップPCが主流のオフィスでは、フリーアドレス導入に際して端末環境を変更する必要があり、ある程度の投資を伴うものになりがちです。例えば全員をノートPCに切り替えるとなれば、PCそのものの調達コストに加え、それらをセットアップしたりデータを移行したりする作業が生じます。また、「持ち出せるPC」となることに伴う、追加のセキュリティなども考慮しなければならないでしょう。
デスクトップを集中管理するやり方も
どうせ投資が必要になるのであれば、いっそデスクトップ環境の集中管理へ移行するという方法も考えられます。その一つの候補が、いわゆるシンクライアントと呼ばれるシステムです。コンピュータの処理機能をサーバ室などで集中管理しつつ、ユーザーインタフェース(キーボードやマウスの入力、ディスプレイの画面出力)を、ユーザーの手許に配置することができます。
既存のものを上手に活用
このシンクライアントにはいくつかの方式(仕組み)がありますが、現在の主流は仮想デスクトップ基盤(VDI)に画面転送方式を組み合わせる形態となっています。VDIは、コンピュータとしての処理機能の全てがサーバ上の仮想PCで稼働することを指し、1台のサーバに多数の仮想PCが共存する形態が一般的です。また画面転送方式とは、画面および音声出力のみをユーザーの手許までネットワーク経由で転送する方法を指します。ユーザー側には専用のシンクライアント端末を設置し、そこにディスプレイ、キーボード、マウスを接続して利用するため、デスクトップPCから移行する際には周辺機器のほとんどを流用することが可能です。またネットワークや電源などの配線も、オフィスレイアウト変更に伴って入れ替えるなどの必要はあるかもしれませんが、基本的には既存のものを流用できます。
このVDI・画面転送方式はフリーアドレス化やリモートワークなどにも使いやすく、近年多くの企業で使われています。とはいえ、従業員の人数分の仮想PCを収容するサーバには、相当なスペックが求められることとなり、調達コストも高額になりがちです。もちろんサーバを更新する際にも多額の投資が必要となります。仮想PCを集中管理するVDIの運用は、これまでのPC運用とは大きな違いがあり、IT部門はその手法に習熟しなくてはなりません。
メリットもデメリットも多いVDI・画面転送方式のシンクライアントに対し、別の提案もあります。その方法については、次回の記事で詳しく紹介します。