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負担をかけず遠隔からリアルタイムに製造現場を把握。アイデア次第で適用範囲が大きく広がる「IPKVM」の実力とは?


<目次>

目次[非表示]

  1. 1.人の行き来が難しい場所の機器・装置をリモート操作で手間なく安全に確認
  2. 2.IPネットワークの構成次第で多彩な現場にも適用可能
    1. 2.1.1対1で延長 エクステンダ構成
    2. 2.2.複数個所で接続 マトリクス構成
    3. 2.3.マトリクス構成を応用 大画面に情報を集約
    4. 2.4.WAN経由での接続も可能

BlackBoxのIPKVMソリューション「Emerald」や関連製品を用いた、様々な現場にありがちな課題に対する解決案をお伝えいたします。ちなみにBlackBoxでは、Emeraldシリーズのほか各種センサーやIPカメラ、スイッチなどネットワーク関連の機材も豊富にラインアップしており、これらを組み合わせれば、活用範囲が大きく広がります。

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人の行き来が難しい場所の機器・装置をリモート操作で手間なく安全に確認

まずは、ネットワーク接続が困難なスタンドアロンの機器や設備が、クリーンルーム内に設置されているケースを考えてみましょう。機器や設備の設定操作、あるいは稼働状態を知りたい場合、そのたびにクリーンウェアを着用しエアシャワーを浴びるなどの手順が必要となり、手間も時間もかかってしまいます。そこで多くの場合、クリーンルーム内で別の作業を行うのと同時に機器/設備の確認や操作を行う、といった段取りにしていることでしょう。

ですが、機器/設備のメンテナンスや状態の確認だけのために入室しなければならない場合もあるはずです。こういった場合を想定し、リモートで確認や操作ができる体制を整えておくべきです。これにより、段取りや後片付けまで含めた所要時間は大幅に短縮されるほか、操作そのものに集中できるようになります。

また、冷凍倉庫内、高所や地下ピット内といった場所も、相応の装備を身に付けるなどの段取りが必要という点で似ています。他の機器や設備の配置の都合から、安全のため操業を止めてからでないと行けない、といったケースもあるかもしれません。そのほかにも、業務上の機密が含まれるため入室できる社員を限定しているが、よりセキュリティを高めるためリモート操作に移行したい、といったニーズも考えられます。

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IPネットワークの構成次第で多彩な現場にも適用可能

1対1で延長 エクステンダ構成

最もシンプルなEmeraldの使い方は、下図のようなエクステンダ構成になります。トランスミッタとレシーバの間を接続するのは、1対1であれば現場で使われているOA/FAネットワーク用のイーサネットケーブル1本だけです。現場の環境に応じて、適切なケーブルを選んでください。対象となるクリーンルーム内の機器/設備にEmeraldのトランスミッタを接続、ネットワークケーブルを介してEmeraldのレシーバに接続し、レシーバには普通のPC用ディスプレイ・キーボード・マウス一式を接続すれば、対象機器の遠隔操作が可能となります。

これによって、数々の設備や装置を監視するために工場内を移動する必要がなくなり、従業員の負担軽減、移動時間の削減、省力化などが実現。本来注力すべき業務にリソースを集中させることが可能になります。なお、こうしてトランスミッタを接続した状態でも、対象機器/設備を直接操作することができるため、状況に応じて現場での操作とレシーバ側での操作を使い分けることができます。

IP-KVMエクステンダ構成の接続イメージ

レシーバ側の機材一式はちょっとしたスペースで十分ですから、例えばクリーンルームの外にイーサネットケーブルを出し、前室付近のデスクなどアクセスしやすい場所に設置することができます。アクセスしづらい場所に設置されている機材についても、作業員が日常的な巡回などに使う通路に面してレシーバを設置するなどすれば、確認や操作も容易になるでしょう。

なお、このエクステンダ構成の場合、一般的な仕様のイーサネットケーブルならトランスミッタとレシーバの距離100m程度まで対応でき、光ファイバーを活用すればさらに延長することができます。つまり配線次第で、工場建屋の外に設置した電源設備などを、建屋内から操作するような仕組みにも使えるというわけです。

複数個所で接続 マトリクス構成

マトリクス構成の接続のイメージ

リモートで監視・操作したい機器や装置が何台もある、または遠隔操作ができる場所を1箇所だけでなく複数箇所、例えばクリーンルーム前室付近に加え、もっと離れた事務室などからも操作できるようにしたい、といった場合には、接続先を切り替えて使えるマトリクス構成を使いましょう。適切な仕様のネットワークスイッチを設置し、そこにトランスミッタとレシーバとを接続して、Emeraldのネットワークを構成します。

マトリクス構成にすれば、同じネットワーク上のトランスミッタを次々に切り替えて確認や操作などを行っていくことが可能となります。製造ラインに並ぶ機器や装置を一斉に点検・調整・設定変更などする際も、1つのレシーバの前に座ったまま、次々に対象を切替ながら操作を繰り返すだけです。

レシーバの設置場所にもよりますが、現場入りに必要な各種装備も不要となり、快適な環境で作業できることでしょう。歩き回る必要がなくなって移動時間の節約になりますし、担当者は機器の操作に集中できて効率も大幅に向上します。また、現場に入る人数を減らせるため、クリーンルームなどの現場環境維持にも効果が期待できます。

ちなみに、エクステンダ構成からマトリクス構成への移行も容易に行えます。ネットワークスイッチと、必要数のEmeraldを追加し、配線を繋ぎ替えるだけです。まずPoC的に1対1のエクステンダ構成で使い勝手を確かめたうえで、マトリクス構成に作り替え、対象の機器/設備を順次拡大していくといった導入形態も考えられるでしょう。

マトリクス構成を応用 大画面に情報を集約

ソフトウェアレシーバとビデオウォール

​​​壁面などに設置した大画面ディスプレイに情報を集約して表示させ、遠くからでも状況を把握できるようにしている工場も少なくありません。こうしたディスプレイにも、BlackBoxの製品が役立ちます。マトリクス構成の応用として、複数台のレシーバ画面を並べて表示してもよいのですが、Emeraldのソフトウェア版レシーバを使えば1台のPCに最大4台分のトランスミッタ画面を集約表示することが可能です。

またBlackBoxには、ビデオウォールの構築に適した製品としてキーボード・マウス操作を行わず画面の情報のみ転送する「AV over IP」製品を用意しているほか、環境センサー製品群「AlertWerks」、IPカメラソリューションなど豊富に取り揃えています。これらを組み合わせ、様々な情報を取り入れた表示システムを構築することができます。

WAN経由での接続も可能

WAN越えのイメージ

IPKVMは一般的なOA/FAネットワークの技術をベースとしています。マトリクス構成ではネットワークスイッチのほか、様々なネットワーク機材を組み合わせたシステムアップが可能です。例えば、大規模な製造事業所、広大なプラント等でも、光メディアコンバータと光ファイバーを用いれば伝送距離を伸ばすことができ、電磁ノイズの影響を回避するにも役立ちます。

また、前述のビデオウォールなどの情報を本社など遠く離れた別の拠点にまで伝送したい場合もあるかもしれません。こうしたニーズも、LANでなくWANを利用すれば実現可能です。WAN経由での距離は無制限ですから、海外の製造拠点に対し、日本の本社やマザー工場から指導・支援を行うといった使い方にまで対応できます。

近年の働き方改革、そして新型コロナウイルス対策の一環として、在宅勤務などテレワークに切り替えたいと考える企業もあるでしょう。製造現場では難しいとされるテレワークですが、IP-KVMの技術はこれを一部可能にするものです。

テレワークで広く使われている、VPNを用いたインターネット経由でのセキュアなアクセスに対応できます。テレワークにEmeraldを使うなら、ソフトウェア版レシーバが効果的でしょう。Web会議やメール、チャット、業務システムや社内ポータル、Officeアプリケーションなど、様々な業務と合わせ、1台のPCで対応できます。こうした工夫で出勤する社員を減らしつつ業務の円滑な遂行を実現できれば、企業にとっても従業員にとっても助かるはずです。

社外の協力会社にEmeraldのレシーバを貸与するなどして、WAN経由、あるいはVPNを併用したインターネット経由のアクセスを利用してもらう、という方法も考えられるでしょう。Emeraldの統合管理ユニット「Boxilla」を用いれば、Emeraldのマトリクス構成ネットワーク全体を効率的に運用できるうえに、そのセキュリティ管理も実現でき、業者ごとに担当の機器や設備のみアクセスさせるといった制限も容易に行えます。

  機器の貸し出しやデモルームで体感していただくことが可能です IPKVMを含めたソリューションの体験をしていただけます。お気軽にお問い合わせください。 ブラックボックス・ネットワークサービス株式会社






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